寒い季節がやって来ると、ファンヒーターやストーブなどの暖房器具の出番がやってきます。最近は住宅の断熱性能の向上などを背景にメインの暖房器具としてエアコンを使用するケースが増えているようです。

しかし、経産省がまとめたデータによると、家庭での消費電力は、製品別に見るとエアコンが約3割を占め、もっとも電力を消費しています。それでも、エアコンは単位時間あたりの光熱費で比較すると灯油を使う暖房器具の半分、ガス暖房の3分の1程度。電気ストーブなどの電気暖房とは約5分の1とコスト面で優秀な暖房器具です。

節電のためにはエアコンの消費電力を抑える必要がありますが、段違いに優秀なエアコンの暖房コストをこれ以上切り詰めるにはどうしたらいいのでしょうか。対策の一つは、電気代の安い深夜帯の電力を利用する蓄熱式暖房機の活用です。但し、オール電化住宅でない場合はランニングコストに注意が必要です。もう一つは、他の暖房器具を組み合わた運用です。エアコンでの暖房は室温を上げる時に大きな電力を使います(冷房では下げる時に電力を使います)。設定温度に達するとインバーターの働きで小さな電力で運転します。そこで、ガスや灯油で素早く室温を上げ、これを維持するためにエアコンを運転すると、全体での節電につなげることが出来ます。